おかもの備忘録(仮)

三日坊主の社会人1年生が、週一回を目標に、見たこと聞いたこと感じたことなどを記録していきます。書くことの練習。

『知ろうとすること。』糸井重里・早野龍五


福島第一原発の事故後、情報が錯綜する中で、ただ事実を分析し、発信し続けた物理学者・早野龍五。以来、学校給食の陰膳(かげぜん)調査や子どもたちの内部被ばく測定装置開発など、誠実な計測と分析を重ね、国内外に発表。


その姿勢を尊敬し、自らの指針とした糸井重里が、放射線の影響や「科学を読む力の大切さ」を早野と語る。未来に求められる「こころのありよう」とは。文庫オリジナル。


まず、専門家と表現者の対談は、読み進めるにつれてお腹が満たされてく感じがする。


佐藤雅彦氏×竹中平蔵氏の『経済ってそういうことだったのか会議』もそうだったけど、表現者が専門家の通訳になって、わたしが聞きたいことをわたしが分かるレベルまで下げて質問してくれる。


だからわたしは「こんなに難しい世界のことを知っちゃったぞ、ふふ。」的に知識欲が満たされる。


「138億年前に宇宙のはじまりの爆発でできた水素が、今も私たちの身体に流れている」ところ、あれはよかったなぁ。壮大で、うわー、ってなった。し、放射性物質への理解も少し深まった。



震災以降、「ゲンパツ」とか「ホウシャノウ」とか、宗教や政治に近いようなNGワード感があって、怖くて避けてきてた。


いわゆるソーシャルな畑にいると、反対派の人が圧倒的で、「もちろんあなたも反対でしょ?」みたいなスタンスで来られるのが、なんだか怖かった。


だって何が本当か分からないし、判断できないじゃん…。


…て、思ってたけど、実は怖いから避けて避けて、知ろうとしてこなかったんだってことが、この本を読んで改めて分かった。


本の中でもちょっと怖いなと思う表現も一部あったけど、基本的なスタンスは「良い悪いでなく、事実を知ろうとする姿勢を持とうよ」っていうお話。