『知ろうとすること。』糸井重里・早野龍五
まず、専門家と表現者の対談は、読み進めるにつれてお腹が満たされてく感じがする。
佐藤雅彦氏×竹中平蔵氏の『経済ってそういうことだったのか会議』もそうだったけど、表現者が専門家の通訳になって、わたしが聞きたいことをわたしが分かるレベルまで下げて質問してくれる。
だからわたしは「こんなに難しい世界のことを知っちゃったぞ、ふふ。」的に知識欲が満たされる。
「138億年前に宇宙のはじまりの爆発でできた水素が、今も私たちの身体に流れている」ところ、あれはよかったなぁ。壮大で、うわー、ってなった。し、放射性物質への理解も少し深まった。
震災以降、「ゲンパツ」とか「ホウシャノウ」とか、宗教や政治に近いようなNGワード感があって、怖くて避けてきてた。
いわゆるソーシャルな畑にいると、反対派の人が圧倒的で、「もちろんあなたも反対でしょ?」みたいなスタンスで来られるのが、なんだか怖かった。
だって何が本当か分からないし、判断できないじゃん…。
…て、思ってたけど、実は怖いから避けて避けて、知ろうとしてこなかったんだってことが、この本を読んで改めて分かった。
本の中でもちょっと怖いなと思う表現も一部あったけど、基本的なスタンスは「良い悪いでなく、事実を知ろうとする姿勢を持とうよ」っていうお話。